やっぱりダン・ブラウンは裏切らない!『デセプション・ポイント』上下巻のあらすじと感想。
先日記事にしたように、昼休みが憂鬱過ぎます。
周りが仕事をガンガンしてる中ご飯を食べるやりづらさったらありゃしないのですが、最近では本を開いて外の世界をシャットアウトすることを覚えました。
先週、夢中になって読破したのが『ダ・ヴィンチ・コード』のラングドン教授シリーズでお馴染みの、ダン・ブラウンの『デセプション・ポイント』上下巻。
相変わらず壮大で、相変わらず長編で、相変わらずハマりました。
あらすじ
主人公は国家偵察局(NRO)に勤める女性レイチェル 。
彼女は次期大統領候補として評判を高めている 上院議員セジウィックの一人娘でもあります。父の政治的野心や亡くなった母への想いから父娘の間には深い溝が。
大統領選において、レイチェル父は巨額の経費が費やされるNASAを批判し、その経費を教育資金に回すと公言することで人気を高めていました。
一方、現大統領ハーニーはNASAの熱烈支持者であり、NASAの評判が地に落ちている今、立場が危ういものに。
ある日、NROの一職員でしかないレイチェルに現大統領から直々に極秘である依頼がなされます。そしてまだ公にはされていない、NASAの成し遂げたある大発見について知らされます。
―NASAが北極の中から生物の化石が含まれた隕石を発見した―
地球外生命体の存在の証拠を手に入れたNASA及び大統領側は、その正当性が確かなものになりNASAの存在意義が認められれば、劣勢な政局を一気にひっくり返すことができます。
レイチェルやその他著名な民間学者たちがその調査を任され、北極の地へ。
その調査で正当性が証明され、大統領はこの世紀の発見を世間へ発表。レイチェル父は大ピンチに見舞われます。
政局の優劣が入れ替わり、世間がこの大発見に熱狂する中、調査チームは隕石のおかしな点に気が付きます。小さな綻びがやがて大きな疑問へ…
隕石の正当性について疑問を持ち始めたことで、レイチェルたちは命を狙われ始めます。
・はたしてNASAの発見した隕石はホンモノなのか?
・偽物ならば、ねつ造した犯人は誰なのか?その存在意義を認めさせたいNASAか?現大統領も一枚かんでいるのか?
・レイチェルたちの命を執拗までに狙う『指揮官』は一体誰なのか?
大統領選で勝つのはNASAの大発見をねつ造したかもしれない現大統領か、不正や汚職を繰り返す最低男レイチェル父か?
感想
『インフェルノ』、『ロストシンボル』を読んで以来の、久々のダンブラウン作品でした。
ダン・ブラウンにハズレなし!と言ったところでしょうか。
場面や人物の視点がすぐ変わるのでスピード感があり、読む手が止まらなくなります。
読者にNASAやNRO,ホワイトハウスについてや、隕石や生物についての知識がなくても、読み進めていくうちに理解できるようになるのがお見事。
話の軸は、NASAの発見した隕石の真偽が大統領選挙に直結していることです。
タイトルのデセプションは、deception【欺くこと、だますこと、欺瞞】。
何かを欺き、誰かを騙すことで何かを得ることができる人々…。世の中嘘だらけですね。
レイチェルたちがdeceptionを見破り真実に近づいていく様はとっても痛快。ですが、その真実が必ずしも都合が良いものとは限らないため、読者は非常にハラハラさせられます。
また、冷酷なまでに命を狙う『指揮官』の正体が、もう!!!
みんな絶対違う人物を思い描いてたはず(笑)ここら辺がさすがダン・ブラウン様。思いがけないような人物が実は裏切っていたパターンは、ダ・ヴィンチコード他ラングドンシリーズでもよく見られますね~~
ラストの演説シーンはね、もう最高です!スカッと気持ちが良くなること請け合いです。
上巻427ページ、下巻413ページの長編ですが、本当一気に読めます。下巻なんて怒涛の勢いです。
おススメです!!